A basis of dental technique : to imitate a natural tooth.

1982

症例1 当時21歳 女性
症例1
上顎左側中切歯 P.F.M.
メタル:日本歯研興行K.K.のプレシャスメタル
陶材:VITA

症例1は、筆者が初めて口腔内を見ながら製作したP.F.M.です。
1982年でした。 この日は丸々1日かけて3本のP.F.M.をつくりました。
当時、院内ラボで独りで仕事をしていました。技工学校を卒業後1年半が経過した頃で、患者さんの中切歯の色が表現できないものの、指導してくれる先輩もおらず、色を合わせるために様々な工夫をしました。
3度目に、VITA社ステインの中からブラウン(♯720)のステインをエナメル質陶材に加えることで、ようやく写真のレベルに達し、装着していただけた事、患者さんがとても喜んでくれた事、そして、その事が私自身大変嬉しかった事をはっきり記憶しています。
この日、私のポーセレン人生が始まった瞬間でした。

80'sの資料

症例2 当時37歳 女性
症例2
上顎左側中切歯 P.F.M
使用金属:CM社 ECH 使用陶材:DUCERAM
症例3 当時31歳 女性
症例3
上顎左側側切歯 P.F.M
使用金属:CM社 ECH 使用陶材:DUCERAM

古いポジスライドからの、しかも古いスキャン画像です。
データは良い状態とは言えず大変恐縮です。

80年代は、多くのセラミスト達がひたすら天然歯を模倣することに懸命になっていた時代でした。
この頃の補綴は一般的に非常に深い支台歯形成が多く、予後に不安を残すケースが多かった時代でもあります。
参考症例のこれらのP.F.M.もあまり長くもたなかったでしょう。

この頃の筆者は、シンメトリーの中のアンシンメトリーそれともなのか、それともアンシンメトリーの中のシンメトリーなのか、そのような事を常に模索していました。

90'sの資料

症例4 当時83歳 男性
症例4
上顎右側犬歯 P.F.M
使用金属:CM社 ECH 使用陶材:DUCERAM

症例4は、歯周病治療に熱心な歯科医師による補綴で、大変良い状態で装着できた症例です。
当時まだ現在のようなエビデンスのない時代でしたが、歯周の状態が大変よく、マージンも歯肉縁下0.3mm程度の形成でした。プレパレーション、インプレッション、すべて素晴らしく,写真は合着直後に撮影されたものですが、セット時の侵襲もないことが、お分かり頂けると思います。